蛙声爺の言葉の楽園

. 将棋4段の少年の話題から「飛び級」へ


 14歳の男子生徒がプロの棋士を相手に26連勝を記録し世間をアッと言わせている。歴代の名人上手に臆することも礼を失することもなく「自然体」で対戦している姿は美しくさえ見える。正真正銘の天才である。
 将棋の素人の私が勝負の世界にあれこれ語るのも失礼なので、わが家での「質疑」について記してみたい。
 ①「徹夜で勝負したりしてるけど、年少者の深夜労働制限に違反しないのか」 
 ②「これだけ連日のように対局していて中学の必要出席日数は大丈夫か。つまり落第の心配はないのか」

  ①「労働基準法」はザックリ言うと「「労働者」を「使用者」から護るための法律なので、棋士が法にいわゆる「労働者」でなければ適用がないことになる。同法9条は労働者とは『事業又は事務所に使用されている者で賃金を支払われる者をいう』と定義している。棋士は労働者とは言い難いだろう。従って14歳ということで同法56条の「最低年齢」に該当し、中学生「児童」として20時から5時までの間の深夜業が禁止されている(同法61条)としても冒頭男子生徒には適用がないという結論になると思う。
 連盟は万一関係監督署が適用があるとした場合は誠実に対応したいとしているようだ。

 ②この将棋4段の中学生はこれからも対局を続けるだろう、もしくは続けさせられるだろうところ、卒業するに必要な出席日数が心配になる。「落第」はさすがに古いので『原級留置き』と言い換えよう。分類としては『当人の責に因る事由』と『当人の責に帰さない事由』に大別されるようだが、詳細は煩瑣になるので結論らしきものを記せば、その決定は『学校長の権限』ということになりそうである。確かに連盟も、学校と緊密に連絡をとっているらしい。配慮は怠らないという姿勢が素敵だ。

 この関係で昔、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が私立校を回り、その中で一番欠席させてくれる学校に子どもたちを入れたというエピソードを思い出した。彼は世界中を回るブロだったので可能な限り子供を同伴し、彼らの見聞を広めたかったのだ。彼独自の子育て教育観といえる。
 三浦氏の教育観は、子どもの将来のために役立つ環境を創るという点で示唆に富む。
 冒頭からの話は、その「子どもの才能」が将棋だった場合のものだが、このことは、文学でも、数学でも、科学でも、音楽でも美術でも否、各種スポーツでも同じではないか。「英才」は飛び立たせてあげるべきだろう。
 ゆとりをもって、みんな一緒に、点数は差別、競争は避けましょう、公平に、平等に、平均的に・・・いつか知らず知らずにこんな風潮に陥ってはいないだろうか。それでいて今も世の中は、学芸でもスポーツでも技術でも、いわゆる「ヒーロー」や「ヒロイン」が大好きなのだ。
 この内なる矛盾を取り去って、広い意味の「飛び級」を皆で応援できる仕組みにすべきではなかろうか。




      アカマツ

        松茸は主として赤松林に生える。しかし赤松林に松茸が必ず居るわけではない。
 

. 生きて活きるということ


緑内障で視野が4分の1未満になった兄を検査日なので市民病院まで送った。
手伝いで韮崎駅に降り立った姪を拾い、検査後3人で兄の山小屋に戻る。
昼食後に始めた作業は、鹿や兎といった野生動物から山野草を護るための柵作りだった。
100坪以上の土地の周囲だからかなり長いものになる。
里山は人間と動物が共に生きる空間だ。
彼らに悪気は無い、おいしそうな草があったので食べた、それだけのこととも言える。
ただ、野草も生きていて、葉を出し花を咲かせ種につなげている。
柵はこの中の草は食べないでとのメッセージなのだった。

夕食で食べ残しがあると「食堂」の外に出しておく。
野生の誰かが夜の間に食べていると兄は言う。
私も早朝5時過ぎに、それが誰かを知った。
もとは飼い猫だったと思われる白黒まだらの美形と、
「先客」の権利を侵害されたと怒ったのかネコを追い払う小柄な狸と。

私が帰る日の朝。
道の駅まで車を走らせた。
目的の「農民の直売所」もスーパーも開店は午前9時。
天然素材で手造りの日除けの下で兄と二人で休む。
兄弟とも耳が遠いので会話はさほど弾まない。
尾白川の天然水が湧出する水場に次々と容器を持って水を汲みにくる地元の人たち。
お爺さん、お婆さん、お嫁さん? おいしい水を飲む家族の姿が後ろに「見える」
それを飽きずにじっと見ている私たち二人。
初夏の風が爽やかで心地よかった。
開店後直売所で兄が買ったのは案の定、山野草の苗たちだった。

里山に戻っての別れ際、次は灯油を買う12月でいいよと兄。
1ケ月置きの市民病院往復は、なるべく1人でやってみると言うのだ。
目に悪いのでブログも長期休止にすると自分のブログで「宣言」もしていた。
気丈な配慮が心に痛かった。
『老人道』なるものがあるとしたら彼は、その道を極めようとしているのかもしれない。 




      輝きすぎる罪

        レンズは言う、輝きすぎると周りの景色が沈むよと。

. 「拍手」がうれしくなった


 想うところあってブログ村のランキングから離脱して1週間以上経ったと思います。
 短かめに記事をまとめる工夫を重ねていましたら、「予告」に反して、それほど更新頻度が下がりませんでした。
 もう一つの変化ですが、いただく「拍手」に対する重みが増して嬉しさが倍増しました。
 ありがとうございます。

 国保の特定健康診断に行きましたら少し血圧が高くなっていました。むろん血圧は状態の変化でかなり「乱高下」するものなのですが。あとの検査結果は数日後にだそうで、改めて病院に聞きに行くことになります。たしかに体調は何となく不調ではあります。若ぶっていても70は70ですから当然かもしれませんが。
 病院は山梨の兄の山荘から戻ってからになります。このあと5時に伊東を出発します。富士山が見えるといいのですが。15日にこちらに用事が出来ましたので、今回は比較的短い日程になります。
 2時に目覚めてしまったので駄文を書けました。
 かえってご迷惑様
 



        めげない草

       比較的新しい歩道の隙間に芽を出した「めげない草」。「不撓不屈!」
  
     


. 昔の名前で出てみません?


 何が驚いたといって「東芝」(旧・東京芝浦電気)がかつてないほどの危機に陥ったことです。日立・三菱と並んで「大手重電三社」と言われた世界的に有名な大企業です。高度経済成長時代を知る世代が、いま大新聞の株式欄をみると目を疑うはずです。「あの東芝」が東京証券取引所1部上場株式の隅っこの『監理・特設注意』欄に1社だけポツンと入っているからです。投資家への注意喚起ですから企業にとっては屈辱の極みでしょうが仕方ありません。米国の原発会社WH社に「投資」したばっかりに巨額の負債を背負い込み、資産価値が何と2兆円という半導体部門を売却して債務超過状態をまぬかれようとしているのだとか。もう6月だというのに3月末の正規の決算報告もままならない状態らしいのです。私たちの世代は、東芝に居た日本を代表する経営者である石坂泰三や土光敏夫の活躍を知っています。おふたりは泉下でいまの東芝をどう診ているのでしょうか。なんとか復活して欲しいものです。だって日本語ワードプロセッサーを開発した「あの東芝」ですよ。

 気になったので少し確認しました。
 『シャープペンシル』の、 「シャープ」(旧・早川電機工業)はとっくに1部上場会社から2部へと落ちていました。我々の世代にとっては発明や技術革新の先駆的会社でした。いまも液晶パネルなどが有名です。現在は、あの鴻海(ホンハイ)精密工業が最大株主になっているようです。もう一度創立者早川氏のようにシャープな発明を期待したいものです。

 驚くと言えば「日産自動車」の株をフランスのルノーが43.7パーセントも持っていました。これはもうルノーの傘下ですね。正確に言えば「連結子会社」です。さらにその日産の傘下に三菱自動車が入っているのも「おっと!」でした。それら3社のトップ経営者カルロス・ゴーンが物凄いやり手だと恐ろしくも感じました。 

 『明るいナショナル♪』の、「パナソニック」(旧・ 松下電器産業)の社名変更はグローバルブランドを目指したものでした。団塊世代におなじみの旧ブランド「ナショナル」が輸出先に同じ登録商標があったためだと、ものの本で読みました。「国民的」「国家的」という意味ならどこの国でも使っていそうですものね。ところでこのパナソニック、いまでは電器よりも住宅関連の企業に近いのだそうです。

 『わたしにも写せます』の、「富士フイルムホールディングス」(旧・富士写真フイルム)も「売り物」が変わりました。現在この会社は、写真・フイルム部門の売り上げ高は全体の数%で、医療、化粧品・薬品・サプリなどがメインだそうです。わたしは服用していませんが糖コントロールサプリがウリだそうな。

 『パッと点いた日立、グンと回る日立♪』の、「日立製作所」はいまも同じ。元気そうに見えます。イギリスからの電車の車両受注はめでたい話ですね。『この木なんの木気になる木♪』の日立。日本大丈夫と「そんな気」にしてくれるような。

 「昔」からの企業のありようも変わったようです。日本の伝統的風土の中で、国内主体の金融・経済制度の下、国民を主対象に経済が回っていたころと今とでは「企業統治」そのものも変容したのでしょうか。もしかしたら日本人経営者がグローバルスタンダードに合わない、慣れない、追いつかない? 理念の消失、短期的評価、利益還元圧力、コンプライアンス、CSR、コンピュータ社会等々、とにかく激変しましたものね。 かつては「準国家的企業」とまで言われ、一旦そこに入社できれば「永久就職」と考えられていた大会社の変容ぶり、混乱ぶり、あるいは凋落ぶりを報道で見聞きすればするほど、日本と日本人が見失ったものを感じます。感じるだけでそれが何かは解りません、素人ですから。
 ええ、それでも世界2位とか3位の経済大国なんですけどね。・・・
 カメラの閃光の前で真四角になって経営幹部が90度の礼をする姿が、なぜかさびしい今日このごろです。
 「昔」のCM、明るかったなぁ。 



       ひとりの水鳥

          何考えているんだろう。いつ羽ばたくんだろう。

.  『聲の形』 

 
『君の名は。』ではシゲルが自分の部屋に愛子を呼んでDVDを鑑賞しましたが(このブログのカテゴリ「アニメ」)、『聲の形』ではシゲルが愛子の部屋に呼ばれました。どちらも創作上の設定ですので世間様の目は大丈夫です。では観終わってシゲルが、愛子の目が潤んでいるのを見つけたところから・・・

『めずらしいな愛子、というか初めて見た、映画で泣くなんて』
「まあ、ちょっとね。みっともなかったわね、でも実体験がある人はみんな引き戻されるかもね。失礼!」
『まさか、いじめる方じゃないよね』
「んな訳ないでしょ、硝子(しょうこ)の立場に決まってるじゃない、ばか」
『あ。ほじくらないから聞きたいんだけど。転校してきて将也(しょうや)にかなり酷いいじめを受けているのに筆談ノートに【ありがとう】って書いたり、、手話で《友達になりたい》って信号を送ったりして、それと常に笑顔ね、解かりにくかった』
「悪くもないのに《ごめんなさい》とかね。そうよね、これは私個人の感じ方なんだけど、ただひたすらもめたくないのよ、反論したり反撃したりしたくても自分がうまく言動で表せないことが分かっているから、いじめてくる子と仲良くするのが一番楽なのよ、あくまでもできれば、だけど。聞こえたし口もきけたわたしでもそうだったから硝子には他の選択肢はなかったと思う」
『で、愛子の場合うまくいったの?』
「とんでも・・よけいひどくなったわ。後悔したわ、いっそ戦えばよかったって、だいぶ経ってからだけど」
『でも硝子は爆発させたよね、過激ないじめが原因のブーメランで仲間はずれになった将也の、机の悪戯書きを硝子が拭き取ってやってた時だよ、【何やってんだ、いいやつぶってんじゃねーよ】と言われて組みつかれて、ついに将也の腕に噛みつき、さらに押して倒して将也の胸を叩き続ける。俺が一番好きなシーンだ、硝子それで当然なんだ、なぜ我慢してたんだ!ってね』
「シゲル、今回読みが浅いよ、硝子可愛さに(^^♪」
『ど、どこが』
「じゃ言うわよ、そのシーンでさ、将也は叩かれっぱなしで叩き返していないんだよ。体力差からいっても叩き返して硝子に暴行しまくり当然出来るよね」
『ああ、おぼえてる、それがどうした』
「この作品の見えないけど一番太い線じゃない、しっかりしてよシゲル君。硝子は結局健常者の学校から離れていって数年が経つのよね。将也が孤独に成長して懺悔をしようと硝子をさがして見つける。そのときよ、少し覚えた手話で《ともだちになりたい》って必死で伝えるわけ。このシーンが唐突に見えないのは、小6の時代、しつこいいじめの動機に硝子への興味があり、根底には魅かれるものがあったから。前の将也叩かれっぱなしのシーンは、数年後の二人の、いわば伏線なのよ、そう思う」
『貴重な見解ですが♪ そうだとしたら、20万もする硝子の補聴器を5か月で8個も捨てたり壊したりといういじめはありえないだろう、え? 愛子様』 
「うん、その件は認める。同感。ただ将也のママが硝子のママに賠償する金額が170万と決めたところから何となく予想単価で割り算しちゃったのかなと。まあ残念な設定だけどここはしらけるわね、確かに」
『問題提起しといて何だけど、それくらい多い回数、それほどの金額じゃないと、バイトして貯めて自分の母親に170万弁済した時点で自分は死のうなんて将也の自責や懺悔は、生まれないかもしれないね』
「なにさ、それなら揚げ足とるなって、このー」
『じゃあ次。この作品俺も基本的に高評価で、あと1回は観たいんだけどね、残念だったところをあと一つずつ挙げようか』
「そうね、じゃわたしから。せっかく大きな社会問題を扱って、しかも素敵な男女のキャラクターを創りながらよ、最後に関係者全員を良い人にしちゃって、日常的なハッピーエンドにしちゃったところ。考えさせるものをスクリーンに残しつつ締めてよ」
『ははは、同じではしかたないな。ラストでも使ってたから形でいくか。登場人物の顔に×印つけたのは最悪だった。観客は幼児じゃないんだから視覚化しなくても結構。それと誰から見ての×なの。①将也から見て? ②将也を見てる人から将也を見て? ①なら誰を見ても×に見えてしまう自分つまり将也の顔に×のはず。②ならみんなから見て×だとされてしまう将也の顔に×になる。結論として曖昧な記号は不要だと思う。第一素敵な絵もストーリーも傷付けてしまう』
「ま、好きだわよこのアニメ、二人とも批判がチンケになるのがその証拠。ところでシゲル、登場人物で一番気に入ったのは誰? わたしは硝子の妹の西宮結弦。まず可愛い、それに繊細、優しさが半端ない」
『なるほど。俺は硝子かな、【わたしが一緒にいると不幸になる】は泣かせる』 
「いままでの話でそうだとすぐ分かりました(^^♪ はいじゃ今回はシゲルがひとことでキャッチを」
言葉って不自由だ!』
「わたしも言うわね。いじめる人間の哀しさ、いじめられる人の寂しさ。はい、おしまい。うちはコーヒーじゃなくてギンギンに冷えたビール出しまーす」
『ラッキー』




      残花

                    「残花」 ≠  遅れて見に来てくれた人のために


 
. プロフィール

蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

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