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蛙声爺の言葉の楽園

. 70歳まで働いてもらいたいとは言うけれど(1)


 自分が71歳になって思うのですが、タイトルどおり、国の計画はなかなか難しいのではないでしょうか。
 日本人の平均寿命は、女が87.14で男が80.98です。これは2016年時の死亡率が不変と仮定してこの年の0歳児が今後何年生きられるかという数値にすぎませんが、いちおう最新のものとして使いましょう。政府は可能な限り70歳まで現役として働いてもらおうと考えているように思えます。すでに、厚生年金の「当然被保険者」は70歳未満の者としていますし、70歳以上でも所定の要件を満たす場合は、「在職老齢年金(高在老)」の仕組みから老齢厚生年金の支給停止の対象になっていて各種の届出を求められています。「当然」の文字が躍っていますね。また雇用保険でも65歳未満の「一般被保険者」の他に65歳以上の「高年齢被保険者」を創出しています。これらは1例にすぎませんが、視点を変えれば労働者保護にも映るこれらの狙いは、保険料はできるだけ長期間納付してもらい、支給総額は減らしたいということでしょう。
 
 よく言われていることですが、定年退職の年齢と年金支給開始年齢には5年の開きがあるようです。かつて55歳定年時代では60歳で開始、60歳定年では65歳で開始。現在がここですが、実は、就業規則で65歳定年とすることを求め、できない場合でも事実上65歳まで継続的に働けるようにせよという「縛り」ができていますので、現在は実質上65歳「定年」といっても過言ではありません。だとしますと、5年の開きを付けたいので年金支給の開始は70歳が目標になるのです。上で例示した法的な動きも「着々と」という感じを受けます。なにせ優秀な官僚のすること、目だたぬように少しずつ確実に歩を進めるわけです。

 少子高齢化が進み生産年齢人口が漸減して止まらないのですから、財政上仕方がないのかもしれませんが、何か見落とされているような気がします。今、男性だけで見てみましょう。70歳から平均寿命81歳まで10年ほどしかありません。大卒で半世紀近く働いても10年しか年金がもらえないとしたら、若者は何を考えるでしょう。また、70歳まで働けるかどうかは「平均寿命」から導くことはできません。百歩譲って寿命を指標にするなら「健康寿命」の平均値ではないでしょうか。ただ、実際にはここにいわゆる「健康」の定義自体が難しいので数値は出せないとは思いますけど。

 いくら国が欲しくても「70歳定年制」を採れる企業はほとんどないと思います。伝統工芸の職人、町工場の超熟練工など70歳定年どころか終身勤務すら歓迎される特殊分野は別ですが。定年についての議論は65歳で終わると思います。だからこその支給開始年齢の引き上げなのです。最後のチャンスですね、国の。いつかきっとやると予想しています。
 いまでさえ多くの場合、65歳から70歳までの空白の5年間を埋めるものはないでしょう。巷のコメントには「退職金」を取り崩してつなぐというものが多々あります。しかし公務員や大企業の社員だった人を除けば無理筋ではないでしょうか。 「雀の涙」から退職金ゼロまで底辺の裾野は広いと思います。
 つまるところ「自己責任論」から引かれる「預貯金額如何」に落ち着くのかもしれません。それで良いかは別個の問題として。

 

      アオサギ


      背を向けて、立ち姿がうつくしいサギ。これって何のこと?     

  
     
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蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

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