蛙声爺の言葉の楽園

. 不可解な「小悪魔」



         不可解な「小悪魔」


 昭和六十年代だったと思います。「戦後強くなったものは靴下と女」という表現が揶揄(やゆ)的に使われました。私見では、女は有史以来ずっと強かったはずですから、これは男からの視点でしかありません。「女」と並列的に持ち出された「靴下」がその証左で、対照的に弱くなった男の報復のようなものを感じます。一昔前までは、草食(ベジタリアン)は女と相場は決まっていたのですが、昨今では草食男が巷に氾濫し、肉食女が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているとのこと、懐古主義者の憂慮ここに極まれりでしょう。
 そういえば、ここ十数年戦争映画が頻繁に創られてます。以前「男が男であった時代」というキャッチコピーでヒットした青年将校を扱った映画がありましたが、言いえて妙で、たしかに男が戦乱を招き、その渦中でのみ男が男として輝くのでした。してみれば「女の増殖・増長は平和の証」、せめて実害のない銀幕の世界で、男は憂さ晴らしを、女は逞しい異性の具象化を、それぞれ図っているのかもしれませんね。
 
 さて、以下の記述は、「弱き者汝の名は男」と指弾された貴方の溜飲を、きっと下げてくれるに違いありません。「七出三不去」という言葉をご存知でしょうか。気が遠くなるような昔の律令制の下での掟です。男が離婚して女を叩き出せる「棄妻(きさい)」項目が七つありました。

 ①「無子(むし)」妻が五十歳になっても子を産めなかったとき。
 ②「淫疾(いんしつ)」妻が不貞を働いたとき。
 ③「不事舅姑(きゅうこ)」妻が夫の父母に仕えなかったとき。
 ④「口舌(こうぜつ)」妻がおしゃべりだったとき。
 ⑤「窃盗(せっとう)」妻が盗みを働いたとき。
 ⑥「妬忌(とき)」妻が嫉妬深いとき。
 ⑦「悪疾(あくしつ)」妻が悪い病気をもっていたとき。
 現代の女性にしてみれば、噴飯ものの規定に違いありません。
 ただし、②と⑦以外の自由については、妻が復帰する家が無いとき、舅姑の喪に服したとき、貧賤であった者が結婚によって富貴になったとき、の三つの場合は去らせることが出来ないとされていました。この点は、不条理満載の内で一定の配慮がうかがえます。

 え? 読んだら夫諸氏の羨望がなおさら募った、ですか(御免深謝)。
 それにしても、勝手なもので、なんの手枷(てかせ)も掣肘(せいちゅう)もなく気ままに出来るようになると、「男らしい男像」を求めて戦国武将ブーム到来だとか。皆さん、巨人だけではなく「小悪魔」も不滅です。
 


       虹の郷でシャッター

          ぷくぷくでもかわいいのです、さみしそうですが


 「W10」の自動更新予約のバタバタで午前中は何もできず。こちらのミスなのかさっぱり…


comments
. コメントの投稿
  • コメント
  • パスワード (入力すると、コメントを編集できます)
  • 管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL:http://aseijiiji.blog.fc2.com/tb.php/689-27732735
. プロフィール

蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

. 最新トラックバック
. 2015年9月26日からのご訪問
. 検索フォーム
. リンク
. ブロとも申請フォーム
. QRコード
QR