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蛙声爺の言葉の楽園

. 流れゆくものと動かざるものの狭間に


 『人間一生、誠にわずかの事なり。好いたことをして暮らすべきなり。夢の間の世の中に、好かぬ事ばかりして苦を見て暮らすは愚かなることなり』  (山本常朝『葉隠』)


 足をすくませ自分の中に自分を隠して動けない
 予想外だった「老い」の急流

 ほとんどの時間を自分のベッドの上で過ごすという長姉
 山の中で目を病みながら独り動き、活きようとしている長兄
 病院のベッド、呼吸器で命を保っている次兄
 老犬の世話と短歌の中で生きる糧を探している末の妹

 七人いる兄弟姉妹がすべて六十七歳以上という「いま」
 覚悟の「終末」の中に
 私自身が突然割って入ったことになる
 頭部打撲に因って強くなった認知症恐怖、膝の古傷の復活、継続する糖尿…
 もう誰も、もう何も、助けることができない自分
 役に立たなくなった自分
 そのことが心の中で最も重症なのだと、最近になって気づいた

 そう、私はただ、急流の中に立ち尽くしている
 なのに人は「君は前に向かって動いている」と言い張っている
 …不思議。
 
 


 
  動と静

     流ればかりを見ていると、動かぬものも動いて見える不思議



comments
世代こそ少し違えど、わたしもそれなりに感じている老いの、ドミノ倒しでしょうか。
70代は60代を、60代は50代を、50代は40台を、
それぞれが良き時代だったと思うのが、老いなのかもしれませんよね。

ご兄弟みなさま、ご健康に問題を抱えていらっしゃるのでしょうが、67歳を過ぎて、今を生きているということが、素晴らしいと思えます。
生意気な言い方でごめんなさい。

2018-04-17 13:45:50 | [編集]

854. 蛙声爺 さん
読み方によっは不遜にも自虐にもとれる記事。
批判覚悟であえて現代詩のような形で書きましたが、おっしゃるとおり大勢が67歳を超えている長寿という幸い。感謝をふまえつつ、その底流にある残酷さや哀しさに想いが及びます。
誰もが何も求めない、誰もが何もできない。流れの強さの中での肉親としての無力感。この想いの行き先が寂しいのです。
コメント、ありがとうございます、
2018-04-17 14:46:11 | [編集]

855. ぴーこ さん
ご無沙汰しています。
蛙声爺さんは私よりかなりお若いです。
わたしはどちらかというと強気で生きてきた気がします。それが元気の素かもしれません。
生意気なようですが蛙声爺さんはお優しい方ですね。
文面からいつもそう拝見しています。
現実は厳しいですがご自分を大切にお過ごしくださいませ。失礼いたしました。
2018-04-19 09:15:59 | [編集]

856. 蛙声爺 さん
ぴーこさん、ありがとうございます。
『力のない優しさなどは無力』とは、若い時に読んだ小説の中の一文。
ついに己を知ったということのようです。
これからは他者に面倒をかけないように健康第一で行くことが目標です。
2018-04-19 14:44:30 | [編集]

857. takako さん
自分が人からどのように思われているか、と考えだしたら悩みは尽きません。
自分の生い立ちや、今の立ち位置に不満や不安を感じても何も変わらない気がします。
今、食後の散歩してくれる大切な人が、隣にいます。それが何よりだと思いますよ。
親族の死の際に多数向き合ってきましたが、
最期は隣にいてくれる人ですよ。どちらが先かわかりませんがね・・・・
皆がブログ仕舞いをしてしまい寂しい限りです。
後,行く(逝く)者としては先人の生き様の良いところは受け継いでいきます。
出来る時に十分してきましたよね。
大丈夫です。微力ながら継いでいきますよ。志!!
生意気言ってすみません。
2018-04-22 09:20:08 | [編集]

860. 蛙声爺 さん
沁みることば、冷静な分析をありがとうございます。
おかっぱ頭で小さかった姪っ子が50も半ばに近くなって面倒見のいい立派なおばあちゃん…歳月というものは魔術師のようですね。私は一昨昨日、高齢運転者マークを愛車の前後に貼り付けました。しばし感慨にふけったものです。
サッシ戸の向こうに小さめの竹が生えているのですが、この頃イソヒヨドリが枝に止まり崖の方を見ていることが多くなりました。きっと巣があるのでしょう。外敵に巣のありかを気づかれないように、まっすぐには巣に向かわずに周囲を観察しているのです。野鳥の会の人に教わりました。いい話だなとおもったものです。
2018-04-22 10:53:33 | [編集]

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蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

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