蛙声爺の言葉の楽園

. 不思議なもので、絵とか本とか



 昼食と買い物のついでと言っては何ですが、伊東市内一碧湖近くの美術館に行ってきました。「第30回全国絵画公募展・IZUBI」が開催されているのです。


     池田20世紀美術館


 全国からの応募作品のうち入選したものが館内狭しと並んでいました。大きな号の数十作品、油とアクリルがほとんどでした。順路に従ってすべてを鑑賞したのですが、その結果気づきました。私自身が気に入った作品はすべて佳作や優秀作ではありませんでした。もっとも、それがふつうのことではあります。選考は別の人の「作業」なのですから。館内には別に、常設展として世界の画家の作品が展示されています。美術史でもおなじみの画家たち。そうなのですが、たとえタダにしてあげるからどれでも持ち帰ってくださいと言われても、欲しいと心から思う絵はありませんでした。それらの絵の芸術的価値や経済価値は知りません。自分が壁にかけて毎日でも見ていたい、そういう気持ちになれないとしたら要らないと思っただけです。
 「そういう気持ちになれた作品」が「伊豆美」の中で2つもあったこと、今日はそれを喜びたいと思います。

 ところで、同じことが小説にも言えそうです。世界の名著だから、日本の文豪の作品だから、あるいは文学賞を受賞してるから、ベストセラーだから等々で人に薦められても、自分が読みたいと思わないことには何も起こりません。本は紙の束でしかないでしょう。入手したからには読まなくちゃと読み始めても、いや完読しても、そこには何もない。そんなことすらあるのです。

 絵でも小説でも、万人に好かれ称賛されるものなど稀有、いやいや、皆無でしょう。創る側もそれは百も承知のことに違いありません。創作は自己表現ですから。ここでは創り手と受け手のそれぞれに、想いがあり自由があります。シンクロが起これば奇跡なのです。
 このこと実は「すごいこと」なんです。その大本にある「自由さ」が興奮を呼ぶのです。そう、不思議なことに。

 とにかく、柄にもないことをかんがえた美術館訪問でした。


      像ふたつ

   この二つの像もアート。作者とは別の次元で、解釈や感想は観る人に委ねられています。

comments
. コメントの投稿
  • コメント
  • パスワード (入力すると、コメントを編集できます)
  • 管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL:http://aseijiiji.blog.fc2.com/tb.php/664-f4a0a383
. プロフィール

蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

. 最新トラックバック
. 2015年9月26日からのご訪問
. 検索フォーム
. リンク
. ブロとも申請フォーム
. QRコード
QR