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蛙声爺の言葉の楽園

. 追憶の中の友と「語る」(1) 光を追った写真


  二十歳の頃、夜勤のアルバイト先でカメラマン志望の学生と知り合った。高額なカメラと附属機器を必要としていたらしく、精力的に働いていた。明るくて長身、前向きな男だった。
 写真や絵について語り合った記憶はあるが、直接撮影の手ほどきを受けてはいないと思う。私はただ、彼のとった写真から教わったに過ぎない。それは「光」の扱いだったような気がする。それとて、ブログ記事に添える写真を撮るようになって気が付いたにすぎないのだが。
 素人なりに景色を切り取る作業の面白さに興奮した。

 写真機が誕生していない時代、人物や景色を残したのは絵画だった。そう、歴史に残る名画の数々…。写実を極めようとしていたら突然カメラが出現したというとき、特に洋の画家たちは何を思っただろう。そんなことを想像してみる。
 世の中というのは不思議だ。優れたカメラが世に溢れ、デジタルカメラが一世を風靡してプロ並みの写真が誰でも撮れるようになったとき、今度は写真家が慌てただろうことは想像に難くない。
 かくして、写真は「絵」を目指すようになる。
 はたして写真と絵画はライバルなのだろうか(^^♪


     暗い川

       光を強調したくて真っ昼間なのに暗く撮ってみた




     月光になぞらえて

      月はいなかったが払暁の空の明りが助けてくれた


 その友人が、著名な写真家ジョニー・ハイマスのサイン入りの本を贈ってくれた。タイトルは『たんぼ(めぐる季節の物語)』1997年第8刷、整理を続けている書棚に、それは今も残っている。旧友も農村地帯を自費で訪ね続け、土地と人との自然な関係を撮り続けていた。現地でハイマス氏にも出会ったそうな。旧友は景色だけではなく人やその生活を絡めて撮る。しかし私は思った。肖像権が云々される昨今、発表自体に足かせがかかるだろうなと。
 先般、旧友に私の新刊『キルリーの巣窟』を送った。返信も届いた。
 ふと思ったものだ。「もう、つきあいが半世紀に近い」と。
        

     
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蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

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