蛙声爺の言葉の楽園

. 過去にいざなう和太鼓


 按針祭の伊東太鼓合戦をかみさんと「なぎさ公園」まで観に行った。昨夜18時から21時まで3時間にわたるイベントで、最後の10分間は会場近くで打ち上げる花火だった。

 和太鼓には特別な感情がある。40代のころ『御伊豆太鼓保存会』の事務局長をやっており、しかも打ち頭に誘われて大太鼓の一種桶胴(おけどう)を担当していたのだ。毎日30分、夕食を終えた観光客にロビーの浮き舞台で、創作太鼓を無料で披露する。汗でびしょぬれになった体を温泉に入って清め、21時頃宿舎に帰る。仕事は管理部の総務だった。勤務は連日拘束10時間を超していたが、伊豆暮しで最も充実した日々だった。

 7チームが技を競ったが、どこがどうだったとは言うまい。ひたすら懐かしむ自分がいた。
 腹に響く太鼓の音の中でかつて打ち頭が口にしていたいくつかの言葉を思い出した。
「太鼓にはリズムはあるがメロディはない、洋楽のような楽譜もない」
「大小、強弱、緩急で聞き手にメロディを感じさせたら成功」
「大事なのはバチさばきと振りのキレ。これが無いと太鼓が死ぬ」
「呼吸が合わないと成り立たない(指揮者はいないのだ)。チームワークは必須で演奏の命」
「空間にも、音を出さない無音にも<音>が有る」
「かっこ」付け過ぎだった打ち頭(^^♪

 いまごろどこで何をしているのかと、かつての太鼓仲間を想う。
 勤務していたホテルも保存会も、とうの昔に消えている。

 短かかったけれど、「締めの花火」がいつになく綺麗に見えた。



     オブジェ

              私の中では開演前から桶胴太鼓が鳴っていた

comments
744. ぴーこ さん
和太鼓の演奏をお聞きになったのですね。
何と羨ましい! 私もお腹に響く和太鼓の音が大好きです。体中が痺れまくります。もう一度聞きたいですが機会がありません。
オーチャードホールで聴いた和太鼓が耳に残っています。忘れられません。
素敵な思い出もおありで感慨深かったことでしょう。
2017-08-11 10:27:09 | [編集]

745. 蛙声爺 さん
たしかにおなか空きましたよ。太鼓の響きで。
夫婦で好みが一緒というのは和太鼓しかないので(^^♪3年連続で鑑賞しています。
この伊東の太鼓合戦、なんと40年も続いているとか。驚きました。
東京の国立劇場で4年に1度「日本の太鼓」というイベントがあったのですが、まだありますかどうか。
録画もネットから買えましたね。
でも1度は東京の劇場で観てみたいものです。
2017-08-11 12:39:05 | [編集]

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蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

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