蛙声爺の言葉の楽園

. 相撲レスリングを相撲道に戻してくれそうな稀勢の里


 千秋楽、新横綱稀勢の里が優勝するためには、大関照ノ富士を本割(ほんわり)で破り、かつ優勝決定戦で勝利する必要がありました。日馬富士戦で負傷した「左肩悪化のリスク」と闘いながらです。力士生命を大事にして休場するよう勧められていたはずなのに彼はそうしませんでした。その理由は今場所の最終結果を見れば想像に難くありません。横綱は4人になったのにモンゴル出身の3人のうち1人は早々に休場、あとの2横綱は揃って10勝5敗という成績でした。ここで彼が休場したら「恥ずかしながら今場所は崩壊」となってしてしまったに違いありません。
 この日の2戦の勝利に場内はどよめきました。テレビの向こう側で誰かが、「こんな歓声は初めてですね」と仰天。
 彼の今回の言動は、貴乃花親方がよく口にする「相撲道」を思い出させてくれました。稀勢の里への観客の激励と驚喜はそれを証明しています。

 偏見や人種差別ではなく率直な想いを言わせてもらえば、10数年続いたモンゴル相撲上位の流れは、伝統的な、国技としての相撲道から外れていました。「横綱相撲」という概念が消失したと言っても過言ではありません。一言でくくれば「勝てばいいだろ、文句を言うのは差別だ」となりましょうか。立ち合いで格下の力士に対しても醜く横に跳ぶ、どっしりと胸で受け止める器量に欠けるといわれても仕方がない姿勢です。「横綱」が3役を超越した別格の地位だということの意味を理解していないのです。勝ち負けもさることながら「相撲内容」が問われる存在なのです。下位力士の模範となるべき地位なのです。軽量力士の真似をして猫だましを使ってみたり、前に出ず引きまくって醜く頭を押さえこんだり、すでに土俵を割らせて勝っているのに相手力士の胸をドンとついて土俵下に落としてみたり等々「道」を失った相撲は美しさも失ったように思います。一番のマイナスは、こういった上位力士の相撲が番付の下方へと伝搬していく流れでしょう。上がそうなら当然下もそれに倣っていきます。
 仕切りが大事、前へ前へと出て引き相撲はしない、脇を固める、擦り足が基本…中学校の相撲部でも教わる内容ですけど、来場所で結構ですから確認してください。現状はかなりひどい状態だと思います。

 爺ですからご勘弁願いたいのですが、あの「栃錦・若乃花時代」「大鵬・柏戸時代」「千代の富士全盛時代」そして「貴乃花・若乃花の2代目時代」が懐かしいのです。水入り相撲・ガチンコ相撲の数々、度肝を抜かれた大技小技、小兵が巨漢を下す相撲の醍醐味、倒れた力士に手を貸す勝者、寄り切って勝ったあと相手力士が土俵下に落下しないよう支える横綱たち…そういう相撲道が返ってくることを切に願います。
 今場所の稀勢の里は、その相撲道復活の予感を与えてくれました。



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蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
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