蛙声爺の言葉の楽園

. 赤とんぼ、あれはもしかしたら



 13日水曜日、公園で池の石を見ていたら
 赤とんぼがしずかに止まった
 めったに撮れる被写体ではないので、早速カメラを構えたのだが
 望遠のピントを調節しているうちに飛び去った
 落胆していると、なんと戻ってきて、さっきいたところで羽を休めた
 撮ってもいいよとばかりに、ゆっくりとしている
 シャッターを押した途端に、また、どこかへ飛んで行った

 15日深夜、仲間のメールで、旧友が13日に逝ったことを知らされた
 享年69歳だった



     赤とんぼ





     故人に昔寄贈してもらった著作2冊

      いまはもう「形見」になった、彼の著作
      いつでも、誰に対しても、穏やかに優しく接する男だった
     

. この1週間、爺には修行だったかも


 パソコンを新しくしてからが「修行」だった。
 海馬を傷め短期記憶もままならぬ中、業者の基礎的な設定の後の作業を独りでコツコツと続けたからだ。以前なら苦にもならなかっただろう細々とした設定が遅々として進まない。何度もエラー・アンド・トライアルをしてようやくたどり着く始末。すでに「死に体」になっている旧パソコン内の諸々のデータを移したくても、「彼」はもう、たまにしか言うことをきかない。それでも根気よくワード文書とエクセル文書を合わせて100近くは保存できた。あとは諦めるしか手がない。
 7年の寿命で「ノートパソコンは死んだ」。爺にしてみれば「急死」でしかなかったが。

 テレビも視聴できるタイプということで、かみさんにチャンネル権を奪われている以前からのテレビに加え、パソコンにも地デジ波を受信できるようにした。ちなみに、ここでもまた、設定作業が要る。
 なるほど「Windows10」には利点も数多い。メールアドレスも従来のものと併せて二つになった。つまり今までどおりのアドレスでもメールは新パソコンに入ってくる。遅いとイラついていたネットへの繋がりも速くなった。何のことはない、電波の受信状況というよりは、恥かしながらパソコンの老朽化による現象だったのだ。

 プリンタにつながったはいいけれど、途端にブラックとライトシアンが減りすぎとの警告が出た。いくら車で行けばすぐだとは言っても、次々に出る「要求」に従い電機店に買いに走っていたら、精神的に妙に疲れた。これも高齢の故か。

 悪いことは続くもので、この5日間ほど風邪を引いていた。所かまわず漫画みたいなクシャミに襲われ、何の断りもなしに水っ洟が垂れ下がってきた。透き通っていて、ちょうど花粉症のそれに似ている。専用の屑籠はティッシュペーパーですぐに満杯になった。外食になど出ようものなら、注文したものが出てくる前に洟が出てくる。ズーでもチンでも洟をかむ音が無様なことに変わりはない。さぞかし周囲の顰蹙をかったことだろう。思い出すだけでもみじめだ。

 昨日、ようやく小室山公園に散歩に出かけた。6日ほど散歩も筋トレも不可だったのだ。
 池に臨む東屋でかみさんと亀を見ていた。動きがユーモラスで和んだ。
 そう、昨日で粗方の始末がついたのだ。昨晩はぐっすりと眠れた。
 今日の午後、筋トレも再開した。

 そういえば、何もなかったはずの地面から、ヒガンバナが群れて、真っすぐな茎を伸ばしていた。今日初めて気が付いたのだが、芽を出したのはいつだったのだろう。何にしても偉い花だ、自分の出番を知っている。
 とにかく爺の、嵐のような日々は終わった。

 

  それでも【頭のリハビリ】長編小説執筆は、400字×369枚まで進んだ。けっして予定通りではなかったが。


     鯉と亀

         「おい、ずるいじゃん、見せて」 鯉に恋する亀ふたり


. 山梨の「むかわ」は稔っていた


 8月27日払暁に出発し、29日午後1時に帰宅した、2泊3日の北杜市武川の山荘訪問が終わった。
 韮崎病院への兄の送迎、生活用品の仕入れ、花畑管理のヘルプ、屋内の整理整頓、越冬用の灯油の仕入れと搬入などがミッションだったが、今回は期せずして自分の体力の減退を知る契機となった。

 車止めから山荘までの間の山道をネコを押して往復する作業。花畑の赤玉土、土間に敷く白いガーデンストーン、18-20リットルの灯油缶等の運搬がそれだが、足腰と心臓の脆弱さを思い知ったのだ。日常的に散歩と上半身の筋肉トレーニングをしていたにもかかわらず、1年前とは雲泥の差だった。湿度90%も堪えたが、要は肉体をいじめていなかったということだろう。古希にしていじめるもないものだが、もう少し日々の運動量を増やそうと思った。

 一方で現地では集中豪雨もなく日照時間も適当な具合だったということで、いわゆる「むかわ米」は順調に稔っていた。ぜひデジタルカメラで撮ろうと思っていたのだが、「あとで」を繰り返しているうちにすっかり忘れて帰宅した。
 じつに老人らしくて嬉しくなる。
 最終日に下痢をしたので、帰宅後2日ほどダメージが残った。これも高齢のゆえか。



      石空川の渓流

        石流れ木の葉沈むと言われる人の世で、浄めようとて身の置き所も無し

. 聴力所見ありから4年


 設備係の仕事が長くて、騒音の中に居たせいで耳が遠くなるのが早かった。
 4年前に左右の耳の高低両方の聞き取りに「所見あり」とされた。
 いまはもうほぼ難聴に近い。
 テレビの音量レベルをかみさんの基準数値より10も上げないと聞き取れない。私が聞こえるレベルにすると健常者の年寄りにあたるかみさんが苦痛になるので、必然的にテレビから離れることになった。いまはすべての情報はネットで賄っている。ヘッドホンが使えるからだ。そうしたら偏向テレビ放送では得られない知識が一気に押し寄せてきた。難聴の功徳、その1である。

 次いでレンタルビデオでの映画鑑賞が不可能になった。
 台詞がほとんど聞こえないのだ。上記音量レベルは50にしなくてはならないが、それでは「公害」に等しい。
 先日500円で旧作5本を借り、1本目で「引導」を渡された。4本未使用のまま全部を専門店に戻しに行くことになった。これからは厳選して映画館に行くか、中古のDVDを買ってパソコンで鑑賞するしかないだろう。それはそれで、やたら見まくるより少しは知的か。「功徳」その2である。

 頭のリハビリのための長編小説執筆については前の方のブログで記事にした。
 聴力異常なので、執筆に集中することになった。呆としているのが恐怖だからだ。結果としてはかどることになった。下記の進捗度のとおり、予定より早く400字詰め300枚に達している。昨日のことだ。功徳、その3である。

 失ったものを哀しむより、まだ残っている能力に感謝して前に進みたい。



 【リハビリ進捗度⑤】8月20日から26日
  長編小説400字×57枚進む (到達度⁂400字×300枚) 約60%


. 「キレる老人」自分自身へのイライラが原因かも


 ネットで昨日、全国紙に載っていたという記事を見て考え込んでしまいました。
 『人は孤立すると攻撃的になる・(キレる高齢者=暴行摘発10年で○○倍)』
 この倍数が2ケタだったのです。
 もっとも衝撃的だった事例は、タバコの吸い殻を道に捨てた老人が小学生に注意され怒ってその子の首を絞めたというもの。暴行段階にとどまったとしても信じられない暴挙です。その子の不信と怒りが老人全体へと向けられることがないよう祈りたいと思います。

 報道などによると、いまの若者は高齢者に対して批判的で、極端な老人不要論すら散見されます。
 なぜなのでしょうね。以前「敬老の日」についてのコメントで、「年をとっているというだけでなぜ敬わなくてはいけないんだ、バカげている」という若者の意見をネットで見ました。言葉を失ったものです。
 「いまのこの素晴らしい日本を築いたのは私たちの世代だ。それを何だ」と怒ったとしても、「どこか素晴らしいんだ、バカヤロ」なのかもしれません。昔より今の方が数段豊かで平和で優れていると新旧比較できるのは、残念ながらいまの高齢者だけなのですから。

 ほんとに個人の見解ですが、高齢者が「イラ立っている」のは目の前の「相手」なのでしょうか。私は広い意味での「常日頃の自分」になのではないかと思っています。昔のように体が動かない、頭も五感も同様、胸を張れる何事もしていない。接する相手は礼も尽くさず敬いもしない、大事にもしてくれない。いちいち自分の中の「昔の自分」がイライラして怒っているのではないでしょうか。そう思えてなりません。
 その爆発のスイッチは小さいこどもでも触れられる高さに、無数に付いているのです。小学生は不幸にも事例の男性のスイッチを押してしまったのです。極端に言えば、まだ乳幼児の孫が寝ている間にその老人を足蹴にしてしまったとしましょう。そんなことでも起爆しそうな気がします。
 もっと「心ゆったり」とできないものでしょうか。殺伐としたものを感じるニュースでした。

 相手もそういう老人の相手で頭に来ることが重なると過敏になってきます。私もやられました。カーテンを2組ホームセンターで注文したところ、受け取り期日に見たのは1袋。私は静かに「たしか2つ注文したのですが」と言うと、伝票を見て「いいえ、1つになっていますよ」と普通の口調での返し。「あの、確かめてもらえませんか」と重ねたところ、係の女性の態度は豹変しました。私はその瞬間から老人クレーマーに分類されたのでした。言葉が棘だらけになったのです。「もういいです」と引き下がり、後で開封したところ、なんのことはない2組が1袋になっていただけでした。私は耐えましたが彼女も半日は不愉快だったでしょう。

 結局のところ「心の棲み処」が荒れてきているのかもしれませんね。
 これからはもっと…もっとですかね (*´ω`)┛




     雑木

        まっすぐに伸びた樹々も「強風」が吹けば互いにぶつかる


. プロフィール

蛙声爺

Author:蛙声爺
文芸同人誌編集をしています。
考えるフクロウが理想。
木内光夫のHPもよろしく。

. 最新トラックバック
. 2015年9月26日からのご訪問
. フリーエリア
. 検索フォーム
. ブロとも申請フォーム
. QRコード
QR